アラビアン・ナイト（カフェ見晴らしのいい場所）

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シリーズ Series: 崎田ゆかりの夜物語 Night 13-14
Night Stories by Sakida Yukari, Night 13-14

会場 Venue: カフェ見晴らしのいい場所（神奈川県横浜市）
Cafe Miharashinoiibasho (Kanagawa Pref., Yokohama City)

テキスト Text

『アラビアン・ナイト』

"Arabian Nights"

概要 Outline: 本公演は俳優・崎田ゆかりが身一つで各地のバーやカフェを巡り、『千夜一夜物語』（アラビアン・ナイト）を物語る「崎田ゆかりの夜物語」シリーズの第13-14夜としてふた夜上演された。会場のカフェ見晴らしのいい場所は、神奈川県横浜市にあるテーブル席3つほどのカフェ。本公演は現地で主に本番上演を行ったため、出張公演に分類される。『千夜一夜物語』はもとはイスラム世界に伝わる説話集で、大臣の娘シャハラザードが王に夜毎話を語り聞かせた話を集めた枠物語の形式をとる。本作の原テキストとなった東洋文庫『アラビアン・ナイト』はアラビア語から前嶋信次により直接日本語に訳されたもので、イスラム世界の物語を忠実に伝えており、これを上演のために一部抜粋して使用している。本公演は俳優に十分な出演料が確保されるようスタッフや共演者のいない上演形式になっており、上演は店主と俳優のみで実施された。観客はドリンクを楽しみながら、俳優の語る物語に耳を傾けた。
尚、本公演よりシリーズの回数表記を会場毎に番号が重ねられるvol.〜の表記から公演毎に番号が重ねられる第〜夜に変更されている。

作品内容 Summary: 誰もいないカフェで俳優・崎田ゆかりが観客を待ち受けている。入店した客は彼女の歓待を受け席に着き、ドリンクを楽しみながら、崎田の語る『アラビアン・ナイト』の四つの物語に耳を傾ける。崎田はまずシャハラザード姫がシャハリヤール王に寝室で物語を語るようになったいきさつの物語（「シャハリヤール王とその弟君の話」）、次に短い泥棒が登場する滑稽な物語（「アレクサンドリアの詐欺師と警察長官との話」）を挟み、続いて二つの魔法とロマンスの物語（「漁夫と魔王の物語」「ヌールッ・ディーン・アリーとアニースッ・ジャリースの物語」）をそれぞれ、時には身振りも交えて語る。観客と崎田ゆかりは異国の夜空を想いながら扉外の景色を眺め、物語の登場人物が酒を飲めば自分たちも互いに乾杯する。

キャスト Cast

スタッフ Staff

プロダクション Production

* ゲッコーパレードメンバー

* Gecko Parade members

演出ノート Director's note: 店主を除けば俳優一人で上演が可能な演目であるために、大きな仕掛けや演技は取り入れず、あくまで語りを中心に構成した。
『千夜一夜物語』はシャハラザード姫が国王に毎夜つづきものの物語を語ることで王にとっての自分の価値を保ったという設定だが、かつて中東の国々では飲食店で語り手がその物語を店の客に語り「続きが聞きたければまた明日店にくるように」と興味を繋いだことを文献で知り、この上演形式の正当性を確信した。
子供の観客を排除はしなかったが、基本的には大人の観客を想定し、落ち着いて物語と酒を楽しむ時間にするため「窓」「酒」「語り」のキーワードを意識し、劇場公演のように劇世界を強烈に立ち上げるよりも、現実から少しだけ距離を置く余裕のある娯楽時間であることを意識した。
本公演はカフェでの公演だったためアルコール類の提供はなかったが、作品の方向性に変更は加えなかった。／黒田

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