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ゲッコーパレード/GECKO PARADE

2015年旗揚げ。主な表現は演劇。埼玉県蕨市の木造一軒家「旧加藤家住宅」を本拠地とする。集団の形としてパレードを自認しており、その由来は「目的ではなく人の集まりこそがパレードのように活動や表現を形成していく」という信条から。2016年に行った会場となる住宅の空間を存分に活かした演出と、古典戯曲の現代人の感覚に迫る作風が大きな話題を呼ぶ。その後も非劇場空間で創作と発表を行う活動を継続的に展開するとともに、国内外各地に招聘され発表を行っている。

ゲッコーパレードはその信条に基づき、演劇を異ジャンルの専門家と企画・創作を積極的に行っており、演劇表現を広く社会に開かれたものとして展開している。2021年には多様なジャンルを専門とするメンバーが加入。コレクティブとしての特色を強める中、演劇と表現の可能性の模索を続けている。

ゲッコーパレードのロゴ
「ゲッコー」はヤモリの英名

パレードを名乗ること

多くの演劇系の集団が劇団を名乗る中、私たちが名乗るのはパレードです。パレードは日常の延長としての街に人々が集まることで、場を非日常化します。そのとき表現者は音楽や踊りなど自分の持てる手段を持ち寄ると同時に、観衆もあるいは声をあげ、あるいは遠くから見守ることで、パレードに参加しています。これは私たちの考えでは演劇の形そのものであり、「目的ではなく人の集まりこそがパレードのように活動や表現を形成していく」という信条に繋がっています。そのため、ゲッコーパレードの活動を構成するのは、メンバーや協働する俳優・アーティスト・スタッフだけに留まらず、観客の方々や賛同してくださる皆さまも含まれます。

劇場ではなく家を拠点に持つこと

ゲッコーパレードは旧加藤家住宅という木造一軒家を拠点に活動しています。これは作品と日常が接続しているべきだと考えていること、またパレードを名乗り、明確な目的をあえて持たない集団にも、容れ物がある。ということ自体が、存在の拠り所になると考えているためです。

家族は家に住み、演劇は劇場に在ることが一般的ですが、それでは私たちのような集団のあるべき場所はどこなのでしょうか?それはどこでも良いのかもしれませんが、場所があること自体が集団の存続には必要だと私たちは考えました。ゲッコーパレードの集団、表現、活動の形のある拠り所こそが旧加藤家住宅なのだと言えるかもしれません。

建築や土地の個性を作品に反映する

ゲッコーパレードは、自分達の作品を日常の延長線上に位置付けようと考えていることから、公演が行われる建築や、その土地の個性を反映させる作品づくりを行なっています。そのため、作品を発表する場所に応じて3つのカテゴリーに分け制作に取り組んでいます。このような創作・発表の特徴から、その場所でしか作られない作品を求めて、山形ビエンナーレやタイ・チュラロンコーン大学に招かれ、制作も行なっています。

【本拠地公演】拠点である旧加藤家住宅にて創作・発表を行う。

例:『病』/『ハムレット』

【滞在公演】発表が行われる土地に滞在し、その場所の空気感や営みを体感しながら創作・発表を行う。

例:『リンドバークたちの飛行』 途中経過報告(Slure Project)/山形ビエンナーレ2022 『ファウスト』

【出張公演】創作は他所で行うが、発表の場(=建築など)に作品を落とし込み発表を行う。

例:『アラビアン・ナイト』/早稲田大学演劇博物館『リンドバークたちの飛行』

作品の目的に自覚的であること

ゲッコーパレードは演劇や表現本来の力を引き出すため、表現の内容に工夫を凝らすだけでなく、そもそも作品が作られる目的や作品が持つ構造についても考え続けています。その中で継続的に取り組むべき作品の目的や構造が見つかったとき、新たなシリーズを立てることで、これまでに6つのシリーズが生まれてきました。ただ、全ての作品がシリーズに属するわけではありません。特に依頼を受けて創作した作品は、既存のシリーズに組み込まないことも多くあります。

作品歴