少女仮面 | ゲッコーパレード公式サイト

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『少女仮面』

"Shoujokamen"

概要 Outline: 本公演は俳優・崎田ゆかりが俳優とは何か、劇場とは何かを探究するために立ち上げた演劇企画「劇場」シリーズの第2作として上演された。同シリーズでは崎田が公演主宰を務める。会場のOFF・OFFシアターは1993年にオープンした演劇の街として知られる東京・下北沢の劇場で、本多劇場グループにより管理されている。本公演は現地で主にリハーサルと本番上演を行ったため、出張公演に分類される。テキスト『少女仮面』はアングラ演劇の寵児・唐十郎が、1969年に鈴木忠志が主宰する早稲田小劇場のため書き下ろした三幕構成の戯曲。実在した宝塚男役スター春日野八千代が登場し、舞台に疲れた春日野八千代が、少女・貝との交流から変化する様が描かれる。演じるとは何か、自分は何者なのかというというを通じて演劇そのものがテーマとして扱われている。上演は劇場本来の客席と舞台の関係を90°回転させ、観客は舞台を三方向から鑑賞する。客席通路や楽屋スペースを含む劇場空間全体が物語の舞台となった。また劇場壁面には画家の浅野友理子による絵画『潤滑根』が掛けられた。本公演はCoRich舞台芸術まつり！2023のファイナリストに選出され、崎田ゆかりが演技賞を受賞した。

作品内容 Summary: 少女・貝と老婆は宝塚スターの春日野八千代に会うため、春日野が経営する地下喫茶《肉体》を訪ねる。そこには人形のために珈琲を注文する人形遣いや、歌と踊りを仕込まれる給仕のボーイ達がいた。貝はボーイ主任との問答の末、ようやく入浴のために現れた春日野と対面する。（第一幕）
別の場所、人形遣いがかつての恋人との苦い思い出を語っている。しかしその恋人が密通していたのは自分の商売道具の人形だったと人形自身から明かされる。（第二幕）
貝は春日野に認められ、演技指導を受ける。ひとり演じることに疲弊していた春日野は、『嵐が丘』のキャサリンとヒースクリフに貝と自身を重ね、肉体を取り戻すことを誓う。外では地下鉄工事が進み不穏な空気が流れる中、春日野は突然現れた水道飲みの男にシャツを破られてしまう。男装が暴かれ、アイデンティティが崩壊した春日野は、気づくと満州の荒野で憧れの甘粕大尉の前にいた。俳優と観客、男と女、憧れと嫉妬、あらゆるもの境目が曖昧になった末に、ついに春日野は自分の「貌（かお）」と対面する。現実とも夢ともつかない世界を見回すと、春日野はその場を後にしたのだった。（第三幕）

キャスト Cast

腹話術師／防空頭巾の女二 Ventriloquist／Woman with Disaster Prevention Hood 2: 長順平
CHO Junpei

その人形／防空頭巾の女三 His Puppet ／Woman with Disaster Prevention Hood 3: 平野光代
HIRANO Mitsuyo

ボーイ1／看護婦／防空頭巾の女一 Waiter1／Nurse／Woman with Disaster Prevention Hood 1: 石田夏希
ISHIDA Natsuki

水道飲みの男／防空頭巾の女四 Man Drinking Tap Water／Woman with Disaster Prevention Hood 4: 林純平*
HAYASHI Junpei*

スタッフ Staff

* ゲッコーパレードメンバー

* Gecko Parade members

プロダクション Production

備考 Other: 《関連イベント》
多様なゲスト（敬称略）をお招きして計3回のアフタートークを開催しました。

日時：2023年3月16日(木)19:30の回終演後
登壇者：佐々木敦（思考家・劇作家）
　　　　黒田瑞仁（演出家）
　　　　崎田ゆかり（俳優・劇場Ⅱ『少女仮面』主宰）

日時：2023年3月17日(金)14:00の回終演後
登壇者：山﨑健太（批評家・ドラマトゥルク）
　　　　黒田瑞仁（演出家）
　　　　崎田ゆかり（俳優・劇場Ⅱ『少女仮面』主宰）

日時：2023年3月17日(金)18:00の回終演後
登壇者：梅山いつき（演劇研究者）
　　　　黒田瑞仁（演出家）
　　　　崎田ゆかり（俳優・劇場Ⅱ『少女仮面』主宰）