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- 形式Format
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演劇 Theatrical Performance
- 分類Category
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本拠地公演 Created and Performed at Home
- シリーズSeries
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戯曲の棲む家 vol.8 Drama as a Resident #8
- 会場Venue
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旧加藤家住宅(埼玉県 蕨市) Old Katoh House (Saitama Pref., Warabi City)
- 日程Date
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2018.8.17-8.26 yyyy.mm.dd
- 公演回数/時間Number / Duration
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全16回公演/80-110分 16 performances / 80-110 min.
- テキストText
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『マクベス』
"Macbeth"- 作
Author
- ウィリアム シェイクスピア
William SHAKESPEARE
- 訳
Translation
- 松岡 和子
MATSUOKA Kazuko
- 作
- 概要Outline
- 本公演はかけ離れた背景を持ち劇場で上演されるべく書かれた戯曲が、現代日本の住宅街に建つ一軒家で取り得る形態を観察する「戯曲の棲む家」シリーズの第8作として上演された。会場の旧加藤家住宅は1970年代に建てられた埼玉県蕨市に位置する木造一軒家。ゲッコーパレードが本拠地とする旧加藤家住宅でほぼ全ての創作過程と本番上演が行われたため、本拠地公演として分類される。原作テキスト『マクベス』はイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる1606年頃の作とされる戯曲。中世スコットランドの武将マクベスが魔女にそそのかされて王位簒奪を行う物語で、シェイクスピア四大悲劇の一つに数えられる。物語の運びは原作通りに進むが、劇中で起きる4つの殺しや戦争などの「事件」は4人の参加アーティストが担当し、その表現形式は演劇に限らず町歩きやワークショップなどが含まれる。参加アーティストは渡辺瑞帆、ikuko shirakuma、Aokid、カゲヤマ気象台。観客は蕨駅に集合し配布物を受け取り、メイン会場である旧加藤家住宅へ蕨の街中を歩くところから上演が始まる。
- 作品内容Summary
- <ノルウェー戦/渡辺瑞帆担当>町歩き形式。鑑賞者が集合場所であるJR京浜東北線蕨駅に集まると、配布物「月光新聞」が配られる。そこにはスコットランドの武将マクベスがノルウェーとの戦争で快勝したこと、魔女からいずれは王になると告げられたこと、しかし次期国王は王子マルカムと発表されたことが記される。また駅から旧加藤家住宅までの道のりもそれぞれ新聞の記事風に示される。<演劇パートA>会場に辿り着くとマクベス夫人が観客を客間に迎え入れ、他の観客の到着を待ち、マクベスが帰宅し王殺しを企てる演劇シーンが始まる。王がマクベスの屋敷に訪れ、マクベス夫婦はその寝込みを襲おうとする。<王殺し/ikuko shirakuma担当>ワークショップ形式。紙、鉛筆、ハサミが観客にそれぞれ配られると駅からの道すがら見た景色を文で書き出し、これをハサミで切り分けシャッフルしたうえで詩を構成する。<演劇パートB>王殺しの翌朝の混乱、マクベスの戴冠と罪悪感に苛まれ、次々と国の要人を殺戮する日々、そして魔女から暗い洞窟で再び予言を受ける様が会場一階を広く使い上演される。<マクダフ夫人の暗殺/Aokid担当>インスタレーションとダンス。観客は二階の一室に通されるとそこには絵やプラレールなどで構成されるインスタレーション空間と俳優一人による踊りが披露される。<演劇パートC>観客は一階の客間に戻る。恐怖政治により国内での信用を失ったマクベスに隣国イングランドで討伐の軍勢が起こる。彼の精神的な支えであったマクベス夫人もストレスから夢遊病に苛まれ、自殺してしまう。そんな中、マクベスの居城にマクベス討伐軍が迫る。<動く森とマクベス殺害/カゲヤマ気象台担当>観客が居間に通されるとそこは煌々と照らされたある民家の夏の日常のようでもある。どこか小馬鹿にしたようなメッセージが観客の座布団に置かれ、棒読みで脚本を読み上げる俳優がいた。俳優たちはサバをその場で捌き、寿司にして並べられると、上演は終わる。
- キャストCast
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- マルカム/魔女1ほかMalcolm/First Witch and other
- 河原 舞*KAWAHARA Mai*
- ダンカン/魔女2ほかDuncan/Second Witch and other
- 崎田 ゆかり*SAKIDA Yukari*
- マクベス夫人/魔女3ほかLady Macbeth/Third Witch and other
- 山本 瑛子YAMAMOTO Eiko
- 門番/マクベスマンほかPorter/Macbethman and other
- 上池 健太*KAMIIKE Kenta*
- マルカム/魔女1ほか
- スタッフStaff
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- 参加アーティストParticipating Artists
- AokidAokid
- カゲヤマ気象台KAGEYAMA Kishodai
- ikuko shirakumaikuko shirakuma
- 渡辺 瑞帆(青年団)WATANABE Mizuho(Seinendan)
- 演出Direction
- 黒田 瑞仁*KURODA Mizuhito*
- 衣装Costume
- YUMIKA MORIYUMIKA MORI
- 照明協力Lighting Supervision
- 鈴木 麻友SUZUKI Mayu
- チラシデザインFlyer Design
- 内田 圭UCHIDA Kei
- チラシ写真・記録写真Flyer Photography and Photo Documentation
- 瀬尾 憲司SEO Kenji
- 記録映像Video Documentation
- 絵空衣音Esolagoto
* ゲッコーパレードメンバー* Gecko Parade members - 参加アーティスト
- プロダクションProduction
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- 主催・企画・制作Organised, Planned and Managed by
- ゲッコーパレードGecko Parade
- 後援Under the auspice of
- 蕨市Warabi City蕨市教育委員会Warabi City Board of Education
- 主催・企画・制作
- 演出ノートDirector's note
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シェイクスピア戯曲のうちでも短く、魔女が登場するダークファンタジー風の内容から人気の高い『マクベス』だが、残忍で凄惨な物語は現代日本の観客にとって身近には感じづらく、滑稽にすら映ってしまう。また実は物語の構成に無駄が非常に少なく、そのため翻案に成功している作品は黒澤明監督『蜘蛛巣城』など一部を除いてあまりないと感じる。そこで戯曲の筋はそのままゲッコーパレードが担当し物語を進行し、作中の要所で起きる殺人や戦争などといった本来は凄惨な「事件」を観客が直感的に受け取れるように、4つの「事件」のシーンを4名のアーティストに依頼しそれぞれが考案した体験を伴う仕掛けを劇中に挿入するよう依頼した。
結果、登場人物としての主人公マクベスは不在だが、観客がマクベスが魔女らによって辿らされた軌跡を追体験する上演になった。/黒田
- 備考Other
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《関連イベント》
「旧加藤家の食卓」
終演後に出演者・スタッフ・観客で上演について歓談しながら食卓をかこむ食事会を開催しました。岡田 萌による作品にちなんだ料理が振る舞われました。
日時:2018年8月19日(日)17時の回終演後
「お茶会」
終演後に出演者・スタッフ・観客で上演について歓談するお茶会を開催しました。会場の旧加藤家住宅近くの民家カフェ「カリー&カフェ楽」で手作りの焼き菓子とコーヒー・紅茶をいただきました。
日時:2018年8月22日(水)13時の回終演後
《公開通し稽古》
初日に先立ち、公開通し稽古を行いました。
日程:2018年8月14日(火)18:00
料金:無料
- 外部リンクExternal link
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